純チタンは実用金属中で軽量かつ生体親和性に優れるため,医療用インプラントに使用されるが,摩耗性や疲労特性が乏しいため,表面改質技術に注目した.従来のこの技術ではショットピーニング(SP)が用いられるが,処理後の表面粗さの増加により,き裂の発生点になる場合があるため,表面粗さを抑制させる技術が必要である.近年,開発されたエネルギー集中型機能性キャビテーション(EI-MFC)処理は,対象物の表面粗さを抑制しながら,疲労特性を向上させることが可能である.しかし,EI-MFCは従来のMFCと比較して,疲労特性に差異が認められないため,装置の改良が必要であった.本研究ではEI-MFCに旋回ノズルを加えた装置を作製し,純チタンの疲労性と摩耗性の向上を目的とした.