学会発表

Basic information

Name Uno Tadashi

発表題目

初心者におけるサウンドテーブルテニスの実践的課題と簡易代用台の検討

代表発表者名

濱中 良

共同発表者名

宇野 直士

学会・会議名

第33回視覚リハビリテーション研究発表大会

発表形態

ENG

発表開始年月

2025-08

 

 

発表終了年月

 

概要

【背景・目的】  近年、共生社会の実現を目指し、教育現場でのパラスポーツ体験が注目されている。視覚 制限を伴うゴールボールやフロアバレーボールについては徐々に実践報告が蓄積されつつあ るが、サウンドテーブルテニス(STT)に関する報告は限定的であり、初心者が取り組む際 に生じる困難や課題は十分に明らかにされていない。また、STT専用台は高額であることが 導入上の障壁となっており、通常の卓球台を活用した簡便かつ安価に代用可能な実践方法の 検討も求められている。そこで本研究では、晴眼の大学生初心者を対象に STT を体験的に 実施し、実践における困難や教育的効果、さらに代替台の有用性を探索することを目的とし た。  【方法】  K大学の男子大学生5名(STT未経験者)を対象に、60分間のSTT実技を実施。前後に アンケート調査を行い、定量・定性的に分析した。分析には Wilcoxon の符号付き順位検定 を用い、有意水準は 5%とした。また、ホームセンターで入手可能な木材(60cm×3cm、 120cm×3cm)を用いて、通常の卓球台に工夫を加えた簡易的な STT 台を作成し、実践で の使用感と妥当性を検討した。  【結果】  有意な変化は確認されなかったが、「初心者でもすぐに試合ができそう」(p=0.057)、 「安全で怖さをあまり感じない」(p=0.201)などの項目で肯定的な変化傾向が見られた。 また、初心者が困難を感じた点として「打感の加減がわからない」「コースの打ち分けがで きない」「ボールの前後の把握が難しく打つタイミングがわからない」といった声が挙げら れた。なお、代用台は60分間の実技を支障なく使用でき、実用性と汎用性が示唆された。  【結論】  本研究により、STT初心者の実践的課題と導入における障壁の一端を明らかにするととも に、簡易に代用可能な導入モデルを提示することができた。