本研究では学習済みのCNN モデルの転移学習により,ラップフィルムの製造工程において発生する欠陥を持つ不良品の検出を行うことができるシステムを提案する.学習済みのCNN にはVGG19 を用いる.まず,治具を含んだラップフィルムの画像に対してテンプレートマッチングを適用し,不良品検出のターゲットとなるフィルム部分のみを抽出する画像処理を行う.次に,VGG19 の全結合層部を2 クラス分類用に置き換えて新たなCNN を設計する.画像オーギュメンテーションを施した多数の訓練画像を用いて追加学習(Fine tuning)を行う.この場合,全層の重み更新を行いながら訓練したCNN と,全結合層の重みのみ更新を行いながら訓練したCNN を準備する.不良品が含まれたテスト画像の分類実験によって設計した2 種類のCNNの性能を評価し,比較する.