筆者らは,これまでにもプログラム開発や画像処理の初心者であっても高性能な不良品検出用AIを設計できるようにCNN&SVM設計支援ツールや画像オーギュメンテーションなどの専用アプリケーションを提案してきた.本稿では,実際に製造メーカから提供のあったラップフィルム製品の画像を用いて,開発中のCNN&SVM設計支援ツールの有用性を検証する.マークのある部分には今回対象となる欠陥が含まれている.具体的には,学習済みCNNであるInceptionV3の転移学習により新たに2種類のCNNを設計し,汎化性を発揮できるように画像拡張を施した多数の良品と不良品の画像を用いて訓練する.別途提供のあったテスト画像の分類実験によって設計したCNNを比較評価する.なお,数値目標はラップフィルム製造メーカの求める目標認識率0.95である.