本稿では,工業製品の欠陥検出と可視化処理を同時に実行できるFully Convolutional Data Description (FCDD)の適用について検討した.筆者らがこれまでに開発してきた欠陥検出モデル構築のためのMATLABアプリケーションでは,CNN, SVM, CAE, VAE, FCN, YOLO など様々な種類のモデルを効率的に設計,学習,評価できるようになっているが,FCDDはまだサポートできていなかった.そこで,バックボーンに適したCNNモデルを選択しながら,簡易操作でFCDDモデルを構築できるようにMATLABアプリケーションを拡張するためのソフトウェア開発を行った.従来の転移学習ベースのCNNモデルとの比較を行いながら,FCDDモデルのコンカレントな欠陥検出機能と可視化機能の有用性を評価したので報告する.