ハンゲ(半夏)は神農本草経の下品に収載されている漢方薬構成生薬の要薬である。ハンゲは去痰を促し、また、嘔吐、咳を止める効能を目的として配剤され全漢方薬処方の23%に用いられている。現在日本国内で使用されるハンゲはその全てが輸入品で賄われていることから、高品質なハンゲの国内生産が期待されている。我々は、優良な半夏の国内生産を目的とした研究を企図し、ハンゲの基原植物であるカラスビシャク(Pinellia ternata)を日本各地から多数採集した後、生育が良好で大きな塊茎を形成する優良株を選抜した。今回は、選抜した優良株「九大たまゆたか」から調製したハンゲ(KT)の薬効評価として、トノサマガエルを用いた嘔吐運動の抑制効果を調査した。