本研究では、加算ノイズ付き信号が観測されるという仮説の下で、観測値から原信号が一定値か否かを判断する問題について考える。この問題は平滑化のウィンドウサイズをパラメータとして、平滑化関数と原信号との距離および平滑化関数と平均値との距離の2つの目的関数を同時に最小化する多目的問題として定式化される。ところが、線形和法を用いた単一目的関数の問題に帰着させるには重みを決める基準が必要である。この問題ではその基準がない。そこでそれぞれの目的変数のパラメータ変化に伴うグラフの面積と歪みの関係を数値的に調査し、歪みが大きい(小さい)信号ほど、グラフの面積が小さく(大きく)なる傾向について報告した。