学会発表

基本情報

氏名 小野田 淳人
氏名(カナ) オノダ アツト
氏名(英語) ONODA Atsuto
所属 山陽小野田市立山口東京理科大学薬学部薬学科
職名 講師
researchmap研究者コード
researchmap機関

発表題目

ナノマテリアルの胎仔期曝露による脳血管周辺細胞群の組織病理学的異常とその周囲に集積する異常構造タンパク質

代表発表者名

小野田 淳人

共同発表者名

梅澤 雅和, 立花 研, 武田 健

学会・会議名

The Journal of Toxicological Sciences

発表形態

その他

発表開始年月

2023/06

発表終了年月

2023/06

概要

ナノテクノロジーの発展に伴い、その基幹材料であるナノマテリアルの安全性向上が求められている。ヒトを含む自然界の生物に悪影響を及ぼさないナノマテリアルの開発のためには、ナノスケールの物質特有の生体影響、特に他の化学物質と異なる影響を誘発する原因の解明が必須である。そこで我々は、ナノマテリアル特有の毒性を捉え、その機序解明を目的に行っている。特に本研究では、国際的に問題視されている、ナノマテリアルの発達神経毒性を対象に研究を遂行した。ナノマテリアルとして広範に用いられる二酸化チタンナノ粒子(TiO 2 -NP)またはカーボンブラックナノ粒子(CB-NP)を妊娠5, 9日目のICRマウスに経気道投与(3~95 µg/kg)し、6, 12週齢仔から脳を摘出した。組織学的解析により脳全域を観察し、検出され病変部を in situ 赤外分光法やタンパク質発現解析を用いて評価した。結果、老廃物の除去を担う脳血管周囲マクロファージの消化顆粒肥大化と正常細胞数の減少が、NP曝露群に認められた。その異常な脳血管周囲マクロファージに接するアストロサイトにおいて、グリア繊維性酸性タンパク質(GFAP)とアクアポリン4(AQP4)の曝露量依存的な亢進が認められ、NP胎仔期曝露は脳血管周辺のアストロサイトの過剰活性(グリオーシス)を誘導することが示された。さらに赤外スペクトルを比較した結果、各細胞に異常が生じた脳血管周辺においてのみ、タンパク質の変性を示すスペクトルシフトが認められた。そのシフトの生じた脳血管周辺のアストロサイトと脳血管周囲マクロファージでは、異常構造タンパク質の蓄積に応答し、グリオーシスや細胞死の原因となる小胞体ストレスマーカーATF6とCHOPの亢進が確認された。以上から、NP胎仔期曝露は脳血管周囲病変を誘導し、それは異常構造タンパク質の脳血管周辺への集積に起因する可能性が示唆された。