学会発表

基本情報

氏名 小野田 淳人
氏名(カナ) オノダ アツト
氏名(英語) ONODA Atsuto
所属 山陽小野田市立山口東京理科大学薬学部薬学科
職名 講師
researchmap研究者コード
researchmap機関

発表題目

フッ化物ナノ粒子によるアミロイドβペプチドの二次構造及び凝集状態の変化と共存イオンの効果

代表発表者名

坂口 直哉

共同発表者名

Kaumbekova Samal, 小野田 淳人, 板野 凌大, Torkmahalleh Mehdi Amouei, Shah Dhawal, 梅澤 雅和

学会・会議名

The Journal of Toxicological Sciences

発表形態

その他

発表開始年月

2023/06

発表終了年月

2023/06

概要

フッ化物ナノ粒子 (NPs) は、蛍光材料としてバイオイメージングなど生物医学分野への応用が期待されている。NPsと生体系や生体分子との相互作用が調査されているが、これらの相互作用の根底にあるメカニズムは未解明である。特に、NPs表面におけるタンパク質凝集のメカニズムを解明することは、神経毒性を回避できる生体適合性の高い医療用NPsの開発に役立つ可能性がある。本研究は、赤外分光法を用いてフッ化物NPsとアミロイドβ (Aβ 16–20 ) ペプチドとの相互作用を検証することを目的とした。フッ化物NPsは熱分解法により合成し、X線回折、動的光散乱測定を用いて評価した。合成したフッ化物NPsはCeF 3 であり、NPsの直径は80 nm程度であった。CeF 3 NPsとAβ 16–20 ペプチドを混合し、赤外分光法による解析を行った結果、CeF 3 NPsがAβ 16–20 のβシート形成を促進することが示された。この現象は、水性環境におけるNPsとAβペプチド間の疎水性相互作用によってAβペプチドがNPs表面で互いに接近し、規則正しい水素結合を形成することに起因すると考えられた。共存する塩がAβペプチドの凝集傾向に与える影響を検証した結果、Aβペプチドのβシート構造の形成がNH 4 + イオン共存下では促進され、NO 3 − イオン共存下では抑制された。この現象はAβペプチドのリジン残基(アミノ基)とイオンの静電相互作用によって説明された。イオン非共存下においてはNPsの濃度が大きくなるにつれてAβペプチドのβシート量が増加したが、NH 4 + イオン、NO 3 − イオン共存下ではこの増加量が減少しており、NPs表面へAβペプチドが吸着し束縛された可能性が考えられた。以上の結果は、NPs―タンパク質相互作用の原理の一端を示すものであり、異なるNPs、異なるタンパク質を用いた更なる比較研究が求められる。