本稿では,畳み込みニューラルネットワークとサポートベクタマシンを応用した欠陥検出システムについて紹介した.プログラム開発や画像処理の初心者であっても高性能な不良品検出用AI を設計できるように現在開発中のCNN&SVM設計支援ツールについては,評価用の樹脂成型品を模倣した画像のデータセットを用いた評価実験により有用性を確認することができた.現在,このアプリケーション内に操作方法の説明を組み込みながら,山口県内外のものづくり企業3社との共同研究を通して実ラインへの適用に取り組んでいる.そこでは本稿で紹介したソフトウエアと,それぞれの製造工程が対象とするワーク,工作機械や産業用ロボットといった機械装置,ピッキングのためのハンドなどハードウエアとの統合を考慮したシステム開発が中心となっている.