【ウイルスが精神・神経疾患を引き起こす分子機構の解明】
近年,新型コロナウイルスのみならず,世界中で様々なウイルスがヒトに対し病原性(致死性)を示し,脅威となっている。これまでに,高病原性のモデルウイルスとして古くから注目されてきた狂犬病ウイルスを例に,ウイルスの,病原性・感染可能な動物種(宿主)が限定的である(宿主特異性が存在する)理由を紐解くため,蛋白質分子の観点からヒトーウイルスの相互作用についての研究を行ってきた。その過程で,ウイルスの,感染症を引き起こす以外の作用にも興味が高じ,中でも一部のウイルスで観測され始めている「ウイルス感染が精神疾患の引き金となる」分子機構を明らかにすることを目的としている。将来的に神経疾患に対する根本的な治療法の開発及び治療薬の創成を目指している。