【神経・精神疾患の原因分子を自在に分解する人工ユビキチンリガーゼの構造・機能解析】
認知症やALS, うつ病などの神経・精神疾患の原因である蛋白質(基質)には,低分子・抗体医薬開発に必要なリガンド結合部位を持たないものが多い。本研究室では,従来の医薬品で標的とすることが困難だった疾患の原因蛋白質を新たな治療標的にするために,細胞内の分解系を利用した人工的なユビキチンリガーゼ (Artificial Ring Finger:ARF) を開発してきた。本研究では,うつ病の原因分子(NOS)を標的として,細胞内でNOSを分解可能なARFの設計基盤を確立することを目指す。本研究成果は,標的として重要な認知症原因分子タウや,ALS原因分子TDP-43など,他のリガンド結合部位が不明な蛋白質の分解誘導および,難治性神経・精神疾患の治療可能性につながる。