主な研究課題

基本情報

氏名 石川 敏弘
氏名(カナ) イシカワ トシヒロ
氏名(英語) ISHIKAWA Toshihiro

コメント

【研究の方向性】
石川研究室で主に扱う材料系は、地球上で2番目に多く存在するケイ素を主成分とする炭化ケイ素で、その優れた機能(高強度、高耐熱性、耐酸化性、高熱伝導等々)の発現メカニズムや機能を支配する因子を詳しく調べてゆきます。目指すは「世界一の特性」です。その中でも特に、自らが発明者である結晶質炭化ケイ素繊維中に内在する微細欠陥と強度の関係を詳細に調べて、より高強度化を目指す為の研究を宇部興産㈱と共同で進めています。具体的には、(1)炭化ケイ素繊維の破壊起点の特定、(2)炭化ケイ素繊維の強度を支配する欠陥の同定、(3)炭化ケイ素繊維の欠陥生成に最も大きな影響を及ぼす熱処理過程の制御等々です。最終的には原子レベルまで制御する必要が出てくるのです。石川研究室では、そのような過程を企業や国立研究所の研究者とともに詳細に調べ、材料合成の過程に起こる構造変化や微細組織の生成メカニズム等々、論理的な解析をおこなってゆきます。更に本研究室では、これまで結晶質炭化ケイ素繊維の合成過程に、直径約10ミクロンの一本一本の繊維内部で起こさせてきた現象を、炭化ケイ素粉体の粒界相で効果的に進行させることにより、高強度で高耐熱性を有する炭化ケイ素焼結体を常圧で合成できる革新的常圧焼結プロセスについても研究しています。これにより、従来のホットプレス等の加圧焼結法、反応焼結法、スパークプラズマ焼結法のような「比較的高価で大型の装置、あるいは加圧を必要とする装置を用いない限り、緻密な炭化ケイ素焼結体は得られないのか?」と言った「問い」に応えられる学術的価値の高い手法(難焼結性セラミックス材料の新しい常圧固相焼結法)を確立してゆきます。以上、セラミックス材料の強度ならびに新しい焼結法を研究例として取り上げましたが、他の新しい機能創生(新しい光触媒材料や蛍光材料等々)に関する研究も実施しております。多くの機能は、微小領域の構造に支配されることが多いことから“微小領域の制御”をキーワードとして「世界一の特性」発現に向けた研究を今後も進めて参ります。